塾長ブログ

勉強は「楽しく」「長く続けられる」方法で。

生徒を「見習い勇者」「一人前勇者」と表現しました。そう、私はRPG(ロールプレイングゲーム)が好きです。

勉強はつまらないものでしょうか?いやいや、ゲームのように楽しくやる方法はあります。何より、飽きずに長く続けられることが大切です。

ラスボスを討伐(志望校に合格)する、君の物語。私はそれを支えていきたい。

「塾長ブログ」では、そういった私の思いや学習に関する新情報などを紹介します。

 

令和2年10月分

 ともえ塾の藤です。

 6月からブログを始めました。ここに記述する内容は、あくまで私の個人的な見解であることをご承知おきください。

 引き続き、「どうしたら子どもが勉強をするようになるのか」というテーマについて、私の考えを述べさせていただきます。

 テーマ:どうしたら子どもが勉強をするようになるのか


④やり続けていくモチベーションを保つための工夫 ー やり続ける意味について[その2]

 前回は、勉強の直接的な成果として「高校入試に合格すること」を期待する場合、中学3年生で部活を引退してから一生懸命勉強すれば間に合うか、という設問に対し、「間に合わない」と私が考える3つの事柄を示し、その1つめの「内申点」について私の考えを述べさせていただきました。

 今回は、2つめの「英語のリスニング」について、私の考えを述べさせていただきます。この話は小学生までに英会話ができていた人には当てはまりませんが、多くの生徒は中学生になってから英語を本格的に学習すると思います。

 私が高校入試を受験した時は、英語は筆記テストのみでした。いつからリスニングテストが導入されたか正確にはわかりませんが、だいたい20年以上前のようです。そして、平成30年度の高校入試では、リスニングの配点がそれまでの15~18点から20点に引き上げられました。60点中の20点、3分の1です。

 この配点の高さだけを見ても、自分のようにリスニングテストがなかった頃の人間からみれば相当な脅威を感じます。毎年、高校入試後に大手の学習塾がボーダーラインの予想を出しますが、公立高校の難関校であれば、だいたい300点中240~260点となっています。5教科とも50点を上回るような点数でなければボーダーラインに達することができないと考えられるところ、リスニングテストの配点が20点もあるというのは、もしこれを苦手にしていては、相当なプレッシャーになると思われます。

 このような話題でありながら、私自身は英語のリスニングが得意というわけではありません。しかし、一方で、得意でなければ教えることはできない、とも思っていません。リスニングが得意ではない自分が、リスニングを苦にしなくなるような方法を見つけて、生徒に教えていきたいと考えています。

 さて、英語のリスニングですが、インターネットで検索すれば、いくらでも学習方法が表示されてきます。読み進めていくと、教材を注文するボタンが出てきたりするので、注意が必要です。

 日本語と英語の相違点はいくつもありますが、発音に関していえば、まず、音の種類が全く違うことと、英語にはリズムがあって音がつなげられたり、変化したりする点です。

 言語を学ぶプロセスには、「聞く」「話す」「読む」「書く」という4つのステップがあります。これは母国語であっても、そうでなくても、同じだと言われています。

 赤ちゃんが言語を習得する過程を考えてみましょう。まず「聞く」ことから始まります。赤ちゃんは親や周囲の人からたくさん話しかけられ続け、「話す」ようになるまで本当に多くの時間を「聞く」に費やします。そして自ら言葉を発するようになると「聞く」の精度がぐっと上がり、「聞く」の精度が上がると言葉をつなげて「話す」ことができるようになります。

 この「聞く」「話す」は未就学の頃から日常生活の中で身につけていくものであるのに対し、「読む」「書く」は「識字」とも呼ばれ、基本的な教養として学習して身につけていくものです。読めないものを書くことはできないので、「読む」→「書く」の順です。つまり、言語を習得するプロセスは「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」の順です。

 しかし、中学生になって英語が始まると、これら4つのステップを順番ではなく同時に学習することになります。しかも、比重に偏りがあります。国語にリスニングテストがないのと同様、もともと英語にもリスニングテストがありませんでしたから、「読む」「書く」が中心です。英語にリスニングテストが導入されるようになって「聞く」も取り組まれるようになりましたが、「話す」が日常的な学習として取り組まれている事例は多くないと思います。

 さて、リスニングについてですが、言語を習得するプロセスから考えると「話す」前に「聞く」があるのだから、「話す」ことができなくても「聞く」ことはできるという論理は成立しますが、中学生の忙しい身で、たっぷりと時間を取って「聞く」ことはできないと思います。効率的に「聞く」ためには、先述のとおり、「自ら言葉を発する」ことで「聞く」の精度を上げることが必要だと考えます。

 そこで、私が考える学習方法は次のとおりです。

 日本語との違いを意識して、英語の発音を理解し、言葉として発する練習。カタカナ読みのジャパニーズイングリッシュではダメです。日本語と全く違う英語の発音の仕組みを理解した上で、発音練習をしながら、英文を書いていく。このような学習が必要だと思います。

 そうなると、とても中学3年生で部活を引退してから一生懸命勉強すれば間に合うとは思えません。これが、私が「間に合わない」と考える事柄の2つめです。

 しかし、これを積み重ねた時の効果は大きいと思います。生徒には是非、積み重ねていってもらいたいと願いますし、私も生徒と一緒に積み重ねていこうと思います。

 次回は、「間に合わない」と考える事柄の3つめ「作文をはじめとする、自分の考えを表現する問題に対する回答」について、私の考えを述べさせていただきます。