塾長ブログ

勉強は「楽しく」「長く続けられる」方法で。

生徒を「見習い勇者」「一人前勇者」と表現しました。そう、私はRPG(ロールプレイングゲーム)が好きです。

勉強はつまらないものでしょうか?いやいや、ゲームのように楽しくやる方法はあります。何より、飽きずに長く続けられることが大切です。

ラスボスを討伐(志望校に合格)する、君の物語。私はそれを支えていきたい。

「塾長ブログ」では、そういった私の思いや学習に関する新情報などを紹介します。

 

令和2年6月分

 ともえ塾の藤です。

 今年4月からの開業でしたが、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため直ちに休業となり、ようやく6月から授業を開始いたしました。準備期間中、様々な方に有益な御助言をいただき、無事開業に至ることができました。この場でお礼を申し上げます。

 何より、開業の宣伝期間が短かったにもかかわらず、ともえ塾の学習の考え方や授業スタイルに御興味をお持ちになり、入塾してくださった生徒及びその保護者の方々に深く感謝申し上げます。

 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 授業開始に合わせて、今月からブログを始めます。ここに記述する内容は、あくまで私の個人的な見解であることをご承知おきください。

 最初のテーマとして、「どうしたら子どもが勉強をするようになるのか」という保護者目線の永遠のテーマ(?)について、私の考えを述べさせていただきます。

 テーマ:どうしたら子どもが勉強をするようになるのか


①目的意識の必要性について

 勉強に限らず、何か物事を成そうとするならば、まず「目的意識」が必要です。目的意識が持てないことをやるのはとても苦痛です。

 今回は「目的意識」に関する2つの話を紹介させていただきます。

 1つめは、刑務所で行われた心理学実験の話です。

 小さな犯罪を犯した囚人を2つのグループに分けた。

 第1のグループには、砂をある場所から別の場所に運び、全ての砂を運び終わったら、また元の場所に戻す作業を毎日繰り返すように命じた。

 第2のグループには、土や石を運んで道路を作るように命じた。

 どちらのグループにも同じ時間、同じ量の作業をさせたので、肉体的な疲労は両グループとも同じ。しかし、第1のグループは鬱病に罹る者が多く現れ、第2のグループは全体的に活き活きとし、幸福感さえ漂っていた。

 この違いは何でしょうか?第1のグループはこの作業に意味を見出すことができませんでしたが、第2のグループはこの作業に意味とやりがいを感じていました。

 「もっとも残酷な刑罰は、徹底的に無益で無意味な労働をさせることだ。」これは、ドストエフスキーの名言です。

 もう1つは、「3人のレンガ職人」という話です。

 旅人が町外れの一本道を歩いていると、難しい顔をしてレンガを積んでいる男に出会った。旅人は「ここで何をしているのですか?」と尋ねた。

 その男は「見ればわかるだろう、レンガ積みさ。暑い日も寒い日も、朝から晩まで、俺はここでレンガ積みさ。腰は痛くなるし、手はこのとおり。」と答え、ひび割れて汚れた両手を差し出して見せた。

 旅人は、その男に慰めの言葉を残して、歩き続けた。

 もう少し歩くと、一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会った。先ほどの男と違い、辛そうには見えなかった。旅人は「ここで何をしているのですか?」と尋ねた。

 「ここで大きな壁を作っている。これが俺の仕事さ。」

 「大変ですね。」旅人はいたわりの言葉をかけた。

 「いやいや、この仕事のおかげで俺は家族を養っていける。ここでは、家族を養っていく仕事を見つけるのが難しい。こうやって仕事があるから家族全員が食べていくのに困らない。大変だなんていっていたら、バチがあたる。」

 旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けた。

 さらにもう少し歩くと、活き活きと楽しそうにレンガを積んでいる別の男に出会った。旅人は「ここで何をしているのですか?」と興味深く尋ねた。

 「俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っている。」

 「大変ですね。」旅人はいたわりの言葉をかけた。

 「とんでもない。完成したら、ここで多くの人々が祝福を受け、悲しみを払う。素晴らしいことだ!」

 旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けた。

 3人の男がやっている作業は皆「レンガ積み」です。1人目の男は言われた作業をやり続けているだけです。2人目の男は「家族を養う」という目的のために仕事として作業をやっています。この2人は、目的意識の有無には違いがありますが、目の前のレンガしか見ていないという点では同じです。3人目の男は歴史的な事業に参加するという目的意識を持って仕事をしています。100年後かもしれない大聖堂の完成を見据えて仕事をしています。

 この話には、3人の男の「10年後の姿」という続きがあるそうです。

 10年後、1人目の男は相変わらず文句を言いながらレンガを積んでいました。

 2人目の男は、賃金は高いが危険の伴う屋根の上で仕事をしていました。

 3人目の男は、現場監督として多くの職人を育てていました。そして、彼の死後に完成した大聖堂には彼の名前がつけられたということです。

 人によって価値観は様々なので、どちらの囚人・どのレンガ職人の人生が良いというようなコメントはしませんが、目的意識が持てないことをやるのはとても苦痛だと改めて思いました。

 たいへん長くなりましたが、今回は「目的意識」に関する2つの話を紹介させていただきました。

 次回は、どのようにして勉強に目的意識を設定するかについて、私の考えを述べさせていただきます。